=資料1=
高レベル放射性廃棄物処分地の公募に関する公開質問状

 


  

2003年5月21日
 鳥取県反原発連絡会
 青谷原発設置反対の会
 鳥取県西部原発反対の会
 反原発市民交流会・中部
 反原発市民交流会・鳥取
 ウラン残土問題を知る会
連絡先(監事) 〒689−3402 西伯郡淀江町淀江790−3 
土光均 
 

 貴職におかれましては、日頃より市民の生活・健康・福祉・環境等、住みよい地域づくりに尽力されておられますことに、心より敬意を表するものです。
 私達は鳥取県のふるさとの環境を守るべく、1980年代初頭に浮上した青谷原発立地の計画に反対して結成した市民のネットワークですが、1988年からは人形峠周辺で放置が発覚したウラン残土問題に全力で取り組んで15年になります。
 特に、人形峠周辺の旧ウラン鉱山跡地の一つである東郷町方面地区では、地元の自治会と住民がウラン残土の撤去を核燃料サイクル開発機構(旧動燃)に求めて訴訟を起こし、私達もこの訴訟を支える会をつくって支援していますが、鳥取県の片山善博知事がこの訴訟を物心両面から支援して、ウラン残土で汚染された環境の改善のため尽力されていることは、ご承知のことと思います。
 ところが、ここにきて私達はもうひとつの厄介な難題に直面しようとしています。それは原子力開発の入口のウラン採掘地となった人形峠周辺が、今度は出口の核のゴミたる使用済み核燃料の再処理によって生み出された高レベル放射性廃棄物の処分地として狙われているという問題であり、まさに前門の虎、後門の狼≠ナす。
 実は、この高レベル放射性廃棄物の処分地として人形峠周辺の鳥取県側も要注意です。このことは、高レベル放射性廃棄物の処分地選定に深く関与してきた旧動燃が、かつて鉱業権を設定して処分地探しを実施したと見られる中国地方の71ヵ所のうち、23ヵ所の三朝町を筆頭に38ヵ所が鳥取県内であったという事実からもうかがわれます。 
 高レベル放射性廃棄物の処分実施主体である原子力発電環境整備機構(以下、原環機構)は、2000年5月に国会で成立した「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基き、昨年12月19日より全国3217のすべての市町村長と議会を対象に処分候補地の公募を開始しました。公募に当たって原環機構は「地域共生の取り組み方」なるパンフレットで経済的波及効果を宣伝したり、公募に応じた市町村には交付金を用意するなど、原発立地と同様に金で釣る作戦を展開しています。
 しかしながら、高レベル放射性廃棄物は想像を絶する猛毒の固まりで、子供の背丈ほどのガラス固化体の金属容器(キャニスター)1本に含まれる放射能は広島原爆の30発分に相当し、人が近くに10秒間いただけで1カ月のうちに確実に死亡するという恐るべき代物です。しかも、高レベル放射性廃棄物には数百種の放射性物質が含まれており、そのなかには放射能の半減期がきわめて長く毒性の持続が超長期に及ぶものも含まれるため、10万年は安全に管理する必要があると言われていますが、原環機構も日本国家も10万年にわたって存続し責任を取れるとはとうてい考えられません。
 当面の処分場計画では、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体4万本程度を、数百メートルから1000メートルの地下に埋め捨てにする地層処分が考えられていますが、ガラス固化体の金属容器がいずれ溶けたり穴があいたりして放射能が環境にもれ出ることは避けられず、いったん猛毒の高レベル放射性廃棄物が地下水を汚染し環境中に放出されたら、手の打ちようのない深刻な災厄をもたらします。
 このようなリスクは旧動燃の監督官庁たる科学技術庁自身も以前発行したパンフレットで認めていることで、高レベル放射性廃棄物の地層処分が環境に影響を及ぼすシナリオとして、@大地の隆起・侵食・噴火などの自然現象や掘削・採鉱などの人間活動によって放射性物質が地表に出るシナリオA放射性物質がガラス固化体から溶け出て地下水によって地表に運ばれるシナリオ ― の2つを想定しています。
 さきに指摘した通り、原子力開発の出口の高レベル放射性廃棄物は、10万年といった信じ難いほどの超長期にわたって安全管理を必要としますが、原子力開発の入口に当たる人形峠周辺のウラン残土の場合、1950年代末から60年代初めのせいぜい40年前に発生し、国の機関たる旧動燃がわずか13年前の1990年に自治会に約束した協定書すら守られないのが偽らざる現状であって、このことは現在係争中の東郷町方面地区のウラン残土撤去訴訟が証拠物件として身をもって示している通りです。
 ひとたび、高レベル放射性廃棄物の処分地を受け入れたら、受け入れた市町村にととまらず地形が連なり地下水の移動する周辺の広大は範域にわたって、子々孫々の末代まで恐るべき猛毒の放射能と取り返しのつかない大災厄の危険性を背負わさられることは明らかで、このような途方もない処分地に公募があるとは常識ではとても考えられません。
 そこで、貴職に対して公開質問状をもってうかがいます。貴職のところにも原環機構の公募の案内と資料は届いているはずですが、以下の2点について6月7日までに文書でご回答を寄せて下さいますようお願い致します。ご回答の内容は他の関連町村の回答と合わせて公表する予定です。

  1. 原子力発電環境整備機構の公募に回答を寄せられましたか。寄せられていたら、どのような内容か明らかにして下さい。
  2. このさい、高レベル放射性廃棄物の処分地を拒否する意向を、はっきりと県民に表明して下さい。

 

 
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