■ 本紹介 

『フクシマ・沖縄・四日市-差別と棄民の構造』(星雲社 2013年11月28日発行)

『大飯原発再稼働と脱原発列島』(批評社 2013年3月10日発行)

『知の虚人・吉本隆明』(星雲社 2013年1月15日発行)

『原発と御用学者』 (2012年9月15日)

『放射性廃棄物のアポリア ― フクシマ・人形峠・チェルノブイリ ―』 (2012年3月5日)

『原発のないふるさとを 』 (2012年2月25日)

『原子力マフィア −原発利権に群がる人々−』 (2011年12月9日)

『アメリカ新大陸の略奪と近代資本主義の誕生』 (2010年1月5日)

「人形峠 ウラン鉱害裁判」(批評社)

「抵抗者たち−証言・戦後史の現場から」(講談社)

『人形峠ウラン公害ドキュメント』(1995年4月30日発行)

 
= 新刊案内= 
『フクシマ・沖縄・四日市 - 差別と棄民の構造』
本、原発と御用学者

土井淑平著

◇2013年11月28日発売
◇発行=編集工房朔/発売=星雲社
◇264ページ、定価1700円+税

目次

序文 差別と棄民の構造
第一章  フクシマ ― 放射能汚染と原発難民 ―
 一 高濃度汚染地帯の二百万人と放射能汚染水の大量流出
 二 ふるさとを追われた十六万人の原発難民
 三 いのちを切り売りする被曝労働の犠牲者たち
 四 放射能は右から左に移せど消えず除染は移染
 五 天文学的な尺度の廃炉と放射性廃棄物のツケ
第二章 沖縄 ― 軍事植民地と構造的差別 ―
 一 オスプレイの沖縄配備と普天間基地の辺野古移設
 二 アメリカの帝国主義的膨張と太平洋制覇の落とし子
 三 史上に類例なきアメリカのスーパー帝国主義の構造
 四 アジア最後の植民地の沖縄で起きていること
 五 琉球処分・軍事植民地・構造的差別
第三章 四日市 ― 植民地型開発と産業公害 ―
 一 日本の公害と四日市の悲劇
 二 内なる帝国主義と植民地型開発
 三 船荷信仰の反省と漁民のエコロジー
 四 無告の代弁者と市井のジャーナリスト
 五 四日市・沖縄・フクシマ
資料 四日市公害
 一 四日市コンビナート
 二 四日市コンビナートと労働市場
 三 四日市コンビナートと地域社会
 四 四日市公害
あとがき

序文 差別と棄民の構造
 わたしは本書で現代日本の差別と棄民の構造≠典型的に示すものとして、@原発事故の犠牲となったフクシマAアメリカの軍事基地を押し付けられた沖縄B開発と公害の典型といえる四日市、という戦後日本の政治・経済・社会・環境史にかかわる三つの重要な事例を取り上げた。
 フクシマの大惨事はわたしたちの記憶もまだ生々しいとはいえ、あの大惨事もどこかに行ったかのように、自民党の安倍政権は参院選の圧勝を錦の御旗≠ノ、原発の再稼働や原発の海外輸出に突っ走っているが、その足下は手も足も出しようのない放射能≠フダダ漏れ≠ナ、いったいどこから原発の再稼働や輸出の話が出てくるのか信じ難い状況である。
 実際、二〇一一年三月十一日の3・11に始まる福島第一原発の事故では、日本の法令で放射線の管理区域≠ニすべき高濃度の汚染地域≠ナ二百万人の住民が生活し、原発の敷地と地下からダダ漏れして海に流出する放射能の汚染水は止まることを知らず、地元や近海の漁業者の問題にとどまらず、あらためて太平洋汚染の国際的な責任が問われている。
 しかも、ふるさとを追われて避難し漂流する故郷喪失≠フ原発難民≠ヘ十六万人にのぼり、ふるさとに帰りたくとも帰れない非情な運命の下に置かれている。
 政府も東電も隠し通したかった放射能汚染水のダダ漏れは、二〇二〇年夏季五輪の開催地問題で国際的な注目と関心を呼び、舌先三寸の政治家たる安倍晋三首相が国際オリンピック委員会(IOC)で、「状況はコントロールされており、東京にダメージを与えない」「汚染水の影響は原発の港湾内の〇・三平方キロの範囲内で完全にブロックされている」、と大見得を切って東京招致が決まった。まるで、福島第一原発の港湾を真空パック≠ナ密閉≠オたかのごとき、マジカルは発言である。
 しかし、東電の技術顧問が「今の状態はコントロールできていないと我々は考えている」と述べた通りで、日本のトップのウソ八百の国際的発言が現場から否定されている。首相のボロをとりつくろう東電社長の国会発言は、全町民が避難している浪江町議会が、「(首相の)無責任な発言に抗議する」、「避難生活の息苦しい日々を知らないのなら、現場の声を真摯に聞くべきだ」と訴えたのも当然である。フクシマの避難民の状況を考えると、まるでこの国は浮かれた国≠ニ捨てられた国≠フ真っ二つに引き裂かれているかのようだ。
 のみならず、フクシマの事故処理には、下請け・マゴ請け・ヒマゴ請けの下請け労働者群が、人海戦術によりカミカゼ特攻隊≠ネらぬ<Qンパツ特攻隊≠ニして大量に投入されているが、かれらは身をもっていのちを切り売り≠キる被曝労働者≠スちだ。しかし、放射能は右から左に移しても消えないので、政府や東電による汚染された土壌の除染≠ヘ移染≠ナしかない。
 そればかりか、フクシマだけでなく原発の廃炉と放射性廃棄物のあと始末ときたら、十万年とか百万年といった人類学的にして天文学的な尺度の毒性の持続と管理の必要から、つまるところあとは野となれ山となれ≠ネいしはわれ亡きあとに洪水はきたれ≠フ責任放棄に行き着かざるを得ないし、それこそが口にするかどうかの表向きの態度はともかく、原発の推進者たちが胸の底に隠し持っている偽らざる深層心理に違いないのである。
 フクシマの事故処理の当面の問題は、事実上の倒産企業である東電の破綻を法的かつ行政的に処理してケジメをつけていく代わりに、原子力産業の延命という国策のため税金や金融の融資をそれこそダダ漏れのように東電にタレ流していることだ。すなわち、フクシマの大惨事の現状を象徴する汚染水のダダ漏れが、説明責任なき国費や金融のダダ漏れで上塗りされて、誰も責任を取らない無責任の体系の底なしの泥沼を現出している。原発の再稼働や輸出の悪あがきは、捨てられた国≠ノ見て見ぬふりの浮かれた国≠フから騒ぎである。
 フクシマの大惨事によって、本土の日本人の政治課題から寸時忘却されていたとはいえ、沖縄の米軍基地の問題がいささかも軽減したわけではないことは、あらためて断るまでもないことである。むしろ、民主党から自民党への政権移譲に伴って、再び普天間基地の辺野古移設やオスプレイの沖縄配備をはじめ、沖縄をめぐるアポリア=i難問)があたかも積乱雲のように再浮上してきたと言えよう。疑いもなく、沖縄は嵐の前≠ナある。
 周知のように、沖縄は一七世紀初頭の薩摩藩の琉球征伐以来、日本の政府からいわゆる琉球処分≠ネるものを繰り返し受けてきた。さきの太平洋戦争では本土防衛のための捨て石≠ニされ、県民の四分の一の二十万人を超える犠牲者を出した凄惨な沖縄戦を経て、戦後はアメリカの占領下に軍事植民地として米軍基地を押し付けられ、日本国土のわずか〇・六%の土地に在日米軍の七四%の米軍基地が集中している。
 一九五一年九月に日米両政府で調印されたサンフランシスコ講和条約による対日平和条約と安保条約で、たしかに日本は形式的に独立したとはいえ、あくまで沖縄の犠牲による日本の主権回復であった。しかし、実質的には、アメリカの属国≠ェ日本であり、その日本の保護領≠ェ沖縄である。この米日関係と日沖関係の二重構造において、沖縄は日米両政府による植民地主義≠ネいしは無意識の植民地主義≠フもとに置かれている。
 この間、米軍基地は沖縄の政治・経済・社会・環境をいちじるしく歪め、基地に包囲された住民の生活は極度に圧迫され、米兵による少女暴行事件などの凶悪犯罪はあとを絶たず、航空機の騒音というよりも爆音の被害に苦しめられ、九年前の沖縄国際大学や最近のキャンプ・ハンセンの山中への米軍ヘリ墜落事故に象徴されるような、折り重なる危険性と背中合わせの生活を余儀なくされている。それは文字通り不条理≠ニか理不尽≠ニいう言葉で表現するしかない現実である。
 わたしが環境運動にかかわるきっかけとなったのは、一九六〇年代後半の四日市公害であるが、当時から四日市の市民活動家たちは本土より分断され差別された沖縄に注目していた。四日市は第二次大戦後の石炭から石油へ≠フエネルギー転換≠担った石油化学コンビナートの典型で、住民たちは工場廃液による伊勢湾の臭い魚≠竄ホい煙による四日市ゼンソク≠フ被害に会い、ゼンソク患者らはコンビナート企業を裁判に訴えた。
 それは新潟水俣病、富山イタイイタイ病、熊本水俣病ともども、いわゆる四大公害裁判≠フ名で知られるが、いずれも訴訟に勝利して日本の環境政策に決定的な影響を与えたことは言うまでもない。中央の大資本と国家が地方の環境を収奪し住民の犠牲のうえに、巨大な利益や権益をむさぼる構図は今日の原発にもそのまま当てはまる。その行き着いた先がフクシマの大惨事つまり福島第一原発事故に象徴される、戦後日本の最大最悪の産業公害と呼ぶべき原子力公害である。まことに今日は昨日の続き≠ナ、四日市は沖縄にもフクシマに通じているのである。それはわたしの課題ないしは関心の推移にも密接に符合していた。
 第二次大戦後の石炭から石油へのエネルギー転換に伴って、炭鉱労働者たちの去るも地獄、残るも地獄≠フ犠牲の下で、石油化学コンビナートはいったん解体された三井や三菱を筆頭とする旧財閥が再結集する重要な契機となったが、その財閥復活の決定打となったのが国策による原発の導入である。石油化学コンビナートも原発も科学技術の粋≠ニの宣伝の裏側において、旧財閥系の巨大企業の傘下に下請け・マゴ請け・ヒマゴ請けの野蛮≠ナ原始的≠ネ下請け労働者群を抱え、とりわけ原発の場合は延べ四十五万人にものぼる膨大な被曝労働者の殺人労働≠フ人海戦術≠ネくしては成り立たない構造になっている。
 のみならず、四日市ではコンビナート直下の磯津地区の住民たちが、工場排液による臭い魚≠竄ホい煙による四日市ゼンソク≠フ集中的な犠牲者となったように、フクシマの事故でも農民や漁民たちが農産物や畜産物や海産物の汚染で生業を奪われ、大熊町や双葉町をはじめ原発現地や原発周辺の大量の住民たちがふるさとを追われ、まさしく現代版去るも地獄、帰るも地獄≠フ原発難民≠フ非情な運命に翻弄されているのだ。
 現在、中国は巨大な四日市≠フ様相を呈し、黄砂とともに日本に飛来するPM2・5の影響が大きな問題になっているが、中国では二〇一〇年のPM2・5による死亡者が七千人と算定され、世界保健機構(WHO)は二〇一三年一〇月、PM2・5の発ガン性を危険度がもっとも高い部類に認定したばかりである。
 わたしが本書で現代日本の差別と棄民の構造≠フ典型として取り上げたフクシマ・沖縄・四日市≠ヘ、むろんそれぞれ個別の特殊な由来と特徴を持つとはいえ、それらに共通するものとして、@国策の犠牲A中央による地方の支配と収奪B切り捨て御免の論理と倫理C植民地主義の産物、を挙げることができる。そこで、最新の資料と情報を踏まえつつ、これら三つの事例を具体的に順次検討していく。


『大飯原発と再稼働と脱原発列島』
本、原発と御用学者

推薦 小出裕章
「この本は 巨大な権力に立ち向かい、傷だらけになりながらも、原発を阻止して来た民衆の苦闘を物語る、歴史の貴重な記録である。」

目次
序 文 脱原発へのターニング・ポイント       中嶌哲演・土井淑平
第一章 若狭湾への集中立地と大飯原発の再稼働
    ― 小浜原発誘致阻止運動と若狭湾原発反対運動    中嶌哲演
第二章 能登の土地・海を守り選挙を闘いぬく
    ― 珠洲原発阻止から志賀原発廃炉の闘いへ          北野進 
第三章 丹後に原発はいらない!
    ― 久美浜原発阻止運動の記録                永井友昭
第四章 ふるさとと子供たちの未来のために 
    ― 香住原発阻止運動の記録                  岡田一衛
第五章 生存をおびやかす原子力発電所
    ― 浜坂原発阻止運動の記録                  岡田一衛
第六章 原発を水際で止めた先手必勝の闘い
    ― 青谷原発阻止運動の記録              横山光・土井淑平
第七章 脱原発列島のなかでの大飯再稼働
    ― 原発ゼロでも日本の電力は足りる              土井淑平

あとがき                             中嶌哲演・土井淑平

『知の虚人・吉本髢セ』


知の虚人・吉本髢セ


知の虚人・吉本髢セ、目次

『知の虚人・吉本隆明によせて − 土井淑平インタビュー』
(Youtube動画、制作2012年12月)

『原発と御用学者』
本、原発と御用学者

新刊案内
土井淑平著
『原発と御用学者 ― 湯川秀樹から吉本隆明まで ― 』
◇2012年9月15日発売
◇発行=三一書房
◇118ページ、定価1000円+税

 序 文 福島第一原発事故から大飯原発再稼働へ
  第1章 帝国大学の設立と総力戦下の科学動員
      ― 帝国主義科学or植民地科学
  第2章 戦時下の原爆製造計画から原子力の平和利用へ
       ― 湯川秀樹と武谷三男
  第3章 戦後の原水爆禁止運動と原子力発電所の建設
      ― 中曽根康弘と正力松太郎
  第4章 原子力発電・核燃料サイクル・核武装研究
      ― 田中角栄と佐藤栄作
  第5章 原子力発電を擁護した戦後の科学運動
       ― 民主主義科学者協会と日本科学者会議
  第6章 そっくりさんの新左翼知識人と旧左翼共産党
      ― 吉本隆明と日本共産党
  第7章 福島第一原発事故と科学者の社会的責任
     ― 科学・技術・倫理・責任
  あとがき

著者の言葉
  3・11フクシマの大惨事は、政府・官庁と原子力産業・財界が国策として進めてきた原子力推進政策の破綻を意味します。そのツケはあまりにも大きく、住民の被害と環境の汚染は取り返しがつかないほどです。
  この国策の推進母体たる「原子力村」が世間でクローズアップされていますが、わたしはこの「原子力村」を「原子力マフィア」と言い換えて使うことにしています。
  この間、つぎからつぎに登場した「御用学者」も「原子力マフィア」の重要で不可欠の構成員です。かれらはフクシマの大惨事を打ち消すべく、クロをシロと言いくるめて、政府や電力会社にゴマをすり、市民をごまかすことに専念しています。かれらは政治に身を売る科学の売春婦です。
  わたしが本書で明らかにしたように、その「御用学者」は明治以来の近代日本の「帝国主義科学」or「植民地科学」に歴史的ルーツを持ち、第2次世界大戦下の「国家総動員体制」による「科学動員」を背景にしています。
  この間、科学は国家の政治と密接に関係し、いわゆる「帝国大学」が「戦争政策」の産物として、つぎつぎ生み落とされてきましたが、この「帝国大学」こそ今日の日本の「御用学者」の出身母体であり、日本の科学は政治との絡み合いを抜きには語れません。
  いわゆる戦時下の「科学動員」は、湯川秀樹や武谷三男なども参画した「原爆の製造研究」に氷山の一角を見ますが、かれらは同時に戦後の「原子力の平和利用」の提唱者でもあり、その一翼を担ったという原罪を背負っています。
  日本に原発を導入したのは中曽根康弘と正力松太郎です。その原発の利権構造を確立し自ら真っ先にご利益に預かったのは田中角栄です。自民党政権は岸信介以来、核兵器開発に執念を燃やしてきましたが、とりわけ佐藤栄作政権下で「原発の建設」と並行して、「核兵器の製造研究」が秘かに進められてきたことも、忘れてならないことです。
  政府・官庁の国策としての「原発の推進」の裏側には、日本の「核兵器製造の技術的能力」の確保という要請がありました。つまり、「原発」は「核兵器製造」の担保ないしはダミーという任務を背負わされてきたのです。
  今日に至るまで、どう考えても無駄で危険な高速増殖炉原型炉「もんじゅ」や六ヶ所村の再処理工場に、政府・官庁が湯水のごとく膨大な予算を投入してきた理由も、いま指摘した「核兵器製造」の担保ないしはダミーという秘密の任務から読み解けます。
  戦後の「原子力の平和利用」を擁護したのが民主主義科学者協会(民科)、および、その後継の日本科学者会議(日科)でしたが、民科や日科の指導部は共産党の支配下にありました。
  共産党は戦後まもなく書記長の徳田球一が、武谷三男の影響で「原爆の平和利用」を唱えて以来、「原子力の平和利用」に賛成で原発の条件付き推進勢力でした。その共産党が「脱原発」に舵を切ったのは3・11フクシマ以後のことです。
  ところで、本書のサブ・タイトルは「湯川秀樹から吉本隆明まで」となっています。吉本隆明は詩人・文芸批評家・思想家ですが、もともと東工大出身の科学技術者で「自然科学者としての吉本隆明」という論文もあるくらいです。
  吉本隆明はフクシマの大惨事のあとも亡くなる直前まで、原発を「科学技術の進歩」とか「文明の発達」の擦り切れた名目で弁護し、ことし新年早々の『週刊新潮』では反原発派に向かって「反原発で猿になる!」、とそれこそ猿のように吠えていたことから、かれを「原発の御用学者」の末席に加えても、何らおかしいことではないと思います。
  1960年安保闘争で当時の反日共系全学連を支持して、新左翼知識人のスターに躍り出て、つい最近まで自分は「新・新左翼」だと自称したてきました。しかし、フクシマ以後の「新右翼」の雑誌『撃論』に、元航空幕僚長の田母神俊雄や自民党派閥の町村信孝などと登場して、脱原発の攻撃に余念がないところなど、むしろ「新右翼」ないしは「新・新右翼」と呼ぶにふさわしい。
  そればかりか、わたしが本書で疑問の余地なき証拠の数々を挙げて示したように、少なくとも原発問題でわが反日共系の「新左翼知識人」が「共産党そっくりさん」の旧左翼もどきの正体をさらけ出したのですから、笑うに笑えない喜劇というか笑劇ではありませんか。
  吉本隆明のような逆立ちした「新左翼知識人」や科学の売春婦たる「御用学者」に比べれば、戦時下の原爆研究に手を染めながら、ラッセル・アインシュタイン宣言やパグウォッシュ会議の流れを汲み、やがて「科学と倫理」あるいは「科学者の社会的責任」を深く自覚するに至った湯川秀樹や朝永振一郎の言葉は、かれらに煎じて飲ませたいほど貴重です。
  わたしは本書で、原発を推進してきた日本の科学者と政治家の社会的責任を歴史的に追及し、「科学とは何か」「科学と技術」「科学と倫理」「科学者の社会的責任」といったテーマについて考察しました。フクシマの大惨事の責任を考える上で何かのヒントになればと願っています。
(2012年9月15日)

(注)この新刊案内は土井淑平の公式HP(http://actdoi.com)に同時掲載しています。

 
『放射性廃棄物のアポリア ― フクシマ・人形峠・チェルノブイリ ―』
原発のないふるさとを

   ◇2012年3月5日発売
    ◇発行=農山漁村文化協会
    ◇222ページ、定価1600円+税

目次

序 章 わたしたちは誰しもフクシマの子である
   1 福島原発事故の環境復旧と人形峠のウラン残土撤去
   2 始末におえない原発の廃炉と放射性廃棄物に注目しよう
   3 原子力産業の献金で買収された議会と政党の政治家たち
   4 米国債売却による復興財源と住民投票による脱原発の提案                                
第一章  フクシマで何が起きたか               
   ― 世界を震撼させた同時多発の巨大事故 ―
   1 メルトダウンからメルトスルーへ
   2 地震列島の上に立つ原発の危険性
   3 放射能の大量放出と国内国外への拡散
   4 ふるさとを追われる住民と子どもたちの被ばく
   5 大地・上水水・農産物・畜産物・水産物の汚染
   6 高濃度の放射能による深刻な海洋汚染
第二章 あとは野となれ山となれ                 
    ― フクシマと人形峠と核廃棄物を結んで ―
  1 人形峠のウラン採掘とウラン残土の放置
  2 ラドンによる被ばくと肺ガンの多発
  3 人形峠と福島の汚染の状況を比較して
  4 福島原発事故で汚染された大地の環境復旧計画
  5 福島原発事故の廃炉と放射性廃棄物の行くえ
  6 使用済み核燃料と高レベル放射性廃棄物
  7 使用済みの中間貯蔵と高レベルの最終処分
  8 人形峠に立ち返って核のゴミ戦争を考える
第三章 右であれ左であれわがふるさと                          
     ― 日本の原子力開発と反原発運動の歴史 ―
   1 漁民の海戦で始まった日本の反原発運動
   2 もうひとつの戦争としての原子力の平和利用
   3 地域の論理が中央の論理を超えるとき
   4 政党や労組と一線を画する草の根の住民運動
   5 ピラミッド型階層構造とネットワーク構造
   6 ニューウェーブとオールドウェーブ
   7 チェルノブイリ後の反原発と脱原発
   8 原子力産業の巻返しと反原発運動の現在
第四章 チェルノブイリの墓銘碑                
     ― 地球を駆け巡った核暴走の巨大事故 ―
   1 核暴走した原子炉が大爆発して炎上
   2 決死隊による事故処理と膨大な原発難民
   3 地球を駆け巡った放射能と汚染食品
   4 女性と赤ん坊を襲った放射能の爪跡
   5 急性障害の犠牲者と緩慢なるジェノサイド
第五章 スリーマイルの残骸                  
  ― 全米をパニックに陥れたメルトダウン事故 ―
   1 あわやチャイナ・シンドローム!
   2 一四万四〇〇〇人が全米二一州に逃げ出す
   3 メルトダウンで放出された大量の放射性物質
   4 痛めつけられた動植物と死にすぎた赤ん坊
あとがき

著者の言葉
  2011年3月に発生した福島第一原発事故を受けて、この事故に関する多くの本や雑誌が相次いで刊行されました。しかし、あれから1年にもなろうとしているのに、福島第一原発事故による農産物や畜産物や水産物や土壌や汚泥やがれきなどの汚染と被害の実態について、むろん個々の問題を取り上げたさまざまな観点からの報告や論考はあっても、それら事故の影響を総括的に一目で見渡せるようなまとまったテキストがありません。
  本書は事故発生以来たんねんに事実経過をフォローしてきた著者が、まずフクシマで起きたことを最新の情報とデータから明らかにしようとしたものです。これを踏まえることによって、フクシマの事故のこれまでの経緯と実態をおおまかにつかむことができるのみならず、これからフクシマの事故で日々生起するであろう新たな出来事とデータを把握し整理していくための、たしかな視角と方法を提供する基礎的なテキストにもなると信じています。周知のように、フクシマの現実をめぐっては事実も情報もめまぐるしく動いているので、これをどうとらえるかが大事なポイントになってくるわけです。
  このように、本書はまずフクシマの事故の実態と影響の把握を主眼としながら、フクシマの環境旧復旧をわたしが20年以上取り組んできた人形峠の経験から考察し、あらためて始末におえない放射性廃棄物のアポリア(難問)に注意を喚起するものです。げんに、フクシマの事故により大量に放出された放射能による人びとの被ばくに加えて、汚染された土壌・山野・がれき・汚泥・焼却灰などのあと始末と行き場が大問題になっています。これらはすべて始末におえない放射性廃棄物であり、すでにあちこちで核のゴミ戦争≠ェ始まっています。
  たとえば、政府は汚染土壌等は、@3年でいど福島県内の各市町村に仮置きA福島県内の中間貯蔵施設で30年保管Bそのあと福島県外の最終処分場に移す、といとも簡単そう公表していますが、そんなに簡単にコトが運ばないことは明らかです。たとえば、政府から中間貯蔵施設の設置の申し入れを受けた双葉郡の双葉町長は、「被害者に責任を取らすのか」とこれを拒否する姿勢を鮮明にしています。最終処分場を県外にとの構想も、県外の各自治体の猛反対に会うことは必至で、このような状況下で中間貯蔵施設が最終処分場にならないという保証はどこにもありません。
  この問題を考えるとき、わたしたちが取り組んできた人形峠のウラン残土の問題、なかんずく、鳥取県東郷町(現・湯梨浜町)方面(かたも)地区のウラン残土撤去運動が、事実に基づく1つの重要なヒントになります。日本の原子力開発の起点に位置する岡山・鳥取県境の人形峠周辺には、トータルで45万立法メートルもの放射性ウラン残土が野ざらしで放置され、ウラン採掘から30年後の1988年の放置発覚以来、方面地区の住民と自治会がウラン残土の撤去を要求して立ち上がりました。
  旧動燃(現・日本原子力研究開発機構)は、方面地区の1万6000立法メートルのウラン残土のうち、放射線レベルが比較的高い三〇〇〇立法メートルの撤去を自治会に約束しましたが、その撤去先に予定していた人形峠事業所の地元である岡山県の反対を口実に、 約束は18年もズルズルと引き延ばされ先送りました。最終的には方面地区の榎本益美さんによる自主撤去の実力行使、並びに、自治会と住民のウラン残土の撤去訴訟を経て、最高裁の決定で3000立方メートルの撤去が確定し、2006年に方面地区から撤去され、人形峠県境の鳥取県有地でレンガ加工のうえ、2011年の福島第一原発事故の発生から3カ月後の6月に県外搬出を完了しました。
  この方面地区のウラン残土撤去運動は、旧動燃・国・県・町当局による何重もの住民弾圧で押し潰されそうになりながら、わたしたちや小出裕章さんの支援もあって18年間よく持ちこたえました。新たに登場した片山善博知事(菅直人政権の自治相)が行政支援で訴訟費用を負担するという、明治このかた前代未聞の画期的な出来事で訴訟に勝利し、ついに撤去の要求を貫徹しました。一般にはあまり知られていないこととはいえ、方面自治会のウラン残土撤去訴訟は、原発関連の訴訟では唯一の勝訴判決として、特筆大書さるべきことでもあります。
  しかしながら、18年(レンガ加工の終了と搬出までには24年)にも及ぶ、この自治会と住民の苦闘のあいだに、方面地区のウラン残土の撤去先は岡山県と鳥取県のあいだで、ひいてはまた、鳥取県内の自治体と自治会のあいだで、いわゆる核のゴミ戦争≠招き寄せただけでなく、そのウラン残土の一部を米国ユタ州の先住民の土地にある製錬所に、6億6000万円もの国民の税金を無駄遣いして鉱害輸出≠キる、というとんでもない 大脱線の過痕を残しました。この間、本書で詳述の通り、方面地区のウラン残土の撤去先は、なんと2転3転どころか4転5転6転…、と迷走に迷走を続けたのでした。
  この人形峠の経験はフクシマの事故処理への重大な警鐘です。フクシマの事故処理を考えるとき、汚染土壌やがれきなどの放射性廃棄物のあと始末もさることながら、高レベル 放射性廃棄物たる使用済み核燃料を含む廃炉のあと始末は、もっともっとはるかに困難かつ厄介です。政府は廃炉までの工程として、@原子炉建屋の除染など(2年後の2013年度まで)A格納容器の修復など(10年後の2021年度まで)B溶融燃料の回収、原子炉建屋の解体(30年〜40年後の2041年〜2051年まで)、とのスケジュールを公表しましたが、これまた見通しは真っ暗といわねばなりません。
  1979年に事故を起こしたスリーマイル島原発2号機は、14年かけて汚染水を除去したものの、事故から33年後の現在も建屋を解体できず、いまだ残骸をさらしたままです。1986年のチェルノブイリ原発4号機も、事故の直後に石棺で覆っていましたが、その石棺のコンクリートのひびや穴から放射能が漏れ出るため、その石棺をかまぼこ状のアーチ構造物の新シェルターで丸ごと覆う計画が進められています。
  ところで、政府がいうように数十年ていどで廃炉のあと始末ができると考えたら、大間違いです。なぜなら、使用済み核燃料が含む高レベル放射性廃棄物の毒性は、数十年どころか一〇万年、一〇〇万年も続くからです。つまり、少なくともそれだけの期間は、放射能を環境から隔離しないといけないわけですが、いったい人類の生存すら危ういのに、一〇万年、一〇〇万年も続く企業や国家があるでしょうか。
  もうこれは空想科学小説≠ネいしは未来小説≠フ世界といわざるを得ません。原子力開発の入口の放射性廃棄物たるウラン残土の場合、たった30年前の放置物のあと始末すらろくにせず、放ったらかしていたではありませんか。原発が砂上の楼閣≠ネらぬ妄想の楼閣≠フ上に成り立っていることに、いやでも気づかざるを得ません。
  現在、日本中で放射性廃棄物は糞詰まりの状況です。いうまでもなく捨て場がないかたらです。とりわけ、使用済み核燃料を含む高レベル放射性廃棄物は、どこも拒否するので政府や当局は困り果てています。このため、青森県下北半島が放射性廃棄物の集中投棄地とされ、それでも満杯状態のため日本中の辺境や離島など過疎地が狙われ、全国各地で放射性廃棄物の受け入れを拒否する必死の運動が、原発の立地や運転と闘う血の滲むような地域住民運動と並行して続けられているのです。それはフクシマの事故以前から大問題でしたが、一般の人びとの目からは隠されていました。
  フクシマの事故はわたしたちを放射性廃棄物のアポリア(難問)に否応なく直面させる出来事でした。否、フクシマの事故による放射能汚染物と廃炉自体が、目に見える巨大な放射性廃棄物として、いまそこにある危機として存在しています。フクシマの事故に関する本はたくさん出ていますが、この事故を放射性廃棄物の観点から考察するのは本書が最初の試みです。本書を1つの導きの糸として、放射性廃棄物のアポリアを考えるきっかけになればと願います。
  本書の「あとがき」の末尾で注意を喚起しましたが、ドイツのヨアヒム・チルナー監督のドキュメンタリー映画『イエローケーキ〜クリーンなエネルギーという嘘』(配給:パンドラ)は、人形峠の何十何百何千何万倍ものウラン残土やウラン鉱さいが世界のウラン採掘地に投げ捨てられ、これら始末に負えない膨大な放射性廃棄物が手もつけられず茫漠と広がっている姿をわたしたちに突きつけています。原子力開発は「入り口から出口まで放射能タレれ流し」「あとは野となれ山となれ」を最後の言葉としているのです。

 
『原発のないふるさとを』(小出裕章・土井淑平共著)
原発のないふるさとを

  ◇2012年2月25日発売
   ◇発行=批評社
   ◇186ページ、定価1600円+税

目次
フクシマで何が起きたのか
  ― 福島第一原発事故を考える             (小出裕章)
  序 「原発のないふるさとを」
  1 チェルノブイリで起きたこと
  2 フクシマで起きたこと(1)
  3 フクシマで起きたこと(2)
  4 原子力のない世界へ
フクシマから原発のないふるさとへ
  ― 青谷原発立地阻止運動に学ぶ            (土井淑平)
  序 福島原発事故と青谷原発計画
  1 青谷原発立地計画の浮上
  2 青谷原発立地阻止運動を始めるに当たって
  3 青谷原発立地阻止運動の経過と構造
  4 立地阻止の決め手としての土地の取得と共有化
  結び あらためて福島原発事故を考える
原発のないふるさとの核廃棄物
  ― 人形峠のウラン残土撤去運動の報告         (土井淑平)
  序 人形峠におけるウラン残土の放置発覚
  1 人形峠周辺のウラン残土による放射能汚染
  2 人形峠周辺のラドン汚染とラドン被ばく
  3 方面地区のウラン残土撤去協定書の締結と先送り
  4 鳥取県当局による方面現地据え置きの攻撃と弾圧
  5 榎本益美さんの実力行使からウラン残土撤去訴訟へ
  6 ウラン残土のレンガ加工による決着と痛恨の鉱害輸出
  7 人形峠のウラン残土からフクシマを見ると
  資料1 方面地区のウラン残土年表(訴訟まで)
  資料2 方面地区のウラン残土年表(訴訟以後)

著者の言葉
  昨年3月11日の東日本大震災をきっかけとする福島第一原発事故以後、本書の共著者の小出裕章が分単位の過酷なスケジュールにもかかわらず、北は北海道から南は沖縄まで全国各地の住民の求めに応じて、文字通り寸暇の合間を縫って講演に出かけていることは、周知の通りです。
  そこには、原発を推進してきた圧倒的な御用学者たちの積年の洪水のようなデマゴギーに抗して、科学者の良心と責務から住民たちに真実を伝えないといけない、という切実な自覚と使命感があることはいうまでもありません。
  本書の巻頭を飾る小出裕章の「フクシマで何が起きたのか ― 福島第一原発事故を考える」は、昨年末に鳥取県米子市で行なった講演に手を加えた最新のレポートで、まずチェルノブイリで起きたことを分かりやすく解き明かし、そのチェルノブイリにも匹敵する放射能をばらまいてしまったフクシマの事故について詳細に考察したものです。
  たとえば、フクシマの事故で放出された放射能は広島型原爆の数百発分で、日本国の法律をきちんと守るなら、東北から関東の一円にかけての広大な地域を放射線の管理区域にしなければならない、つまり本来なら無人地帯にしなければならないようなひどい汚染であるにもかかわらず、このおぞましい現実を政府は国民に伝えていません。
  わたしたちは本書で、京大原子炉実験所につとめている小出裕章から、「関係者以外立ち入りを禁ずる」と書かれた放射線管理区域の実態を知らされ、その放射線管理区域以上に汚染されてしまった場所で生活している人びとのこと、そこの空気も水も土地も食物もがれきも汚泥も、すべてが放射能汚染物質になってしまった現実を突き付けられて、一瞬言葉を失ってしまいます。
  あらためて、わたしたちは原発のないふるさと≠、こころより希求せざるを得ません。本書はそのフクシマから原発のないふるさと≠ノ立ち返って、土井と小出がともに初期からかかわった鳥取県の青谷原発立地阻止運動を取り上げ、さいわいなことにいま原発のないふるさと≠ノも、実は原発の立地を阻止するための住民や市民の血の滲む闘いが隠されていたことを明らかにします。現在、日本には54基の原発が立地し稼働していますが、その半面において全国40カ所で原発の立地が阻止されてきたことは、一般にあまり知られていません。
  その1つである鳥取県の青谷原発立地阻止運動は、中国電力の原発計画の青写真を事前にキャッチするや、戦後の婦人会運動の流れを汲むカアちゃんパワーを先頭に、地元の住民や市民のネットワークが立ち上がり、そして、最後には原発の炉心部の土地を共有化するという決め手≠ノよって、原発計画を周到にも水際で未然に葬り去った目覚ましい反原発運動の1成果でした。
  フクシマの深刻な衝撃を受けて、わたしたちは新たな原発の立地を阻止する反原発の課題と、いまある原発もすべて止めて廃炉にする脱原発の課題を、いわば一個二重の課題としていますが、それでも膨大な核廃棄物とその管理責任は残ります。そして、げんに、原発のないふるさと≠ノも、厄介な核廃棄物の負の遺産があったのです。
  それが日本の原子力開発の起点に位置する岡山・鳥取県境の人形峠における、ウラン開発の副産物である膨大なウラン残土の放置です。これは原子力開発の入口の核のゴミ≠ノ相当しますが、本書は土井と小出がともに取り組んだ人形峠周辺の鳥取県東郷町(現・湯梨浜町)方面(かたも)地区のウラン残土撤去運動の報告を通して、それが旧動燃(現・日本原子力研究開発機構)・国・県・町の何重もの圧力をはね返し、18年もの歳月をかけて住民要求を貫徹した稀有な出来事であったと同時に、いかに核廃棄物のあと始末が困難な課題であるかを事実として示します。
  なぜなら、ウラン残土の撤去先は2転3転どころか、4転5転6転7転8転とめまぐるしい変転を繰り返し、方面地区のウラン残土撤去運動は岡山県と鳥取県のあいだのみならず、鳥取県内の自治体と自治会のあいだでも、核のゴミ戦争≠招き寄せたにとどまりません。ウラン残土の一部がアメリカの先住民の土地に鉱害輸出≠ウれる、というとんでもない過痕を残したからです。原発の入口の核廃棄物からしてこうです。ましてや、原発の出口の核廃棄物ときたら、そのあと始末がより困難かつ厄介であることはいうまでもありません。
  こうして、本書はフクシマを経験したわたしたちにとって、原発のないふるさと≠フ希求が切実な課題であると同時に、フクシマの事故処理にも重大な警鐘を鳴らし、あらためて核のゴミ≠フあと始末に注意をうながす内容となっています。     (土井淑平記)

 
『原子力マフィア』
― 原発利権に群がる人々 ―
 
原子力マフィア
原子力マフィア
原子力マフィア:本紹介
原子力マフィア:目次
原子力マフィア:相関図

本文記述一部訂正

・15ページ 終わりから2行目  「ペンシルベシア州」 → 「ペンシルベニア州」
・122ページ 4行目        「萩野アンナ」 → 「荻野アンナ」
・250ページ 終わりから4行目 「シャイガー」 → 「シャイグー」 
・251ページ 終わりから4行目 「毎時30ミリシーベルト」 → 「毎時30マイクロシーベルト」
・   〃   終わりの行     「毎時20ミリシーベルト」 → 「毎時20マイクロシーベルト」 

 
 
『アメリカ新大陸の略奪と近代資本主義の誕生』
― イラク戦争批判序説 ―

     ◇発行=編集工房 朔

          〒101−0061 東京都千代田区三崎町2−17−8
                    皆川ビル3F
                   TEL/FAX 050−1049−0387

     ◇発売=星雲社

         〒112−0012 東京都文京区大塚3−21−10
                   TEL 03−3947−1021
            ※本体3,200円です。最寄の書店にご注文ください。
 
表紙

 20年にわたる人形峠周辺のウラン残土撤去運動、さらには、40年近く反原発運動に取り組んできた土井淑平さんが、それらの活動の延長上で新著『アメリカ新大陸の略奪と近代資本主義の誕生 ― イラク戦争批判序説 ― 』(発行=編集工房 朔、発売=星雲社、本体3,200円)を刊行されましたので、紹介します。

 

 イラク大暴走、金融大崩壊、財政大赤字・・・これは二重苦・三重苦のアメリカ超大国≠フ終わりの始まり≠ゥ? 本書は米一極主義に行き着いた欧米中心史観の歴史的検証と根源的批判をモチーフに、
 コロンブス以後の世界の歴史をくわしく分析して、アメリカ新大陸の略奪により近代資本主義が誕生したとのテーゼを打ち出し、西欧近代思想の出現もアメリカ新世界の衝撃を抜きには考えられないことを、データに基づいて具体的に論証しています。
 さらに、アメリカ合州国の建国が先住民を略奪・せん滅した親殺し≠ノ相当するインディアン戦争≠フ血の落とし子≠セったとするならば、9・11事件を引き金とするアフガン戦争やイラク戦争はインディアン戦争の地球規模の延長・拡大である、とのもう一つのテーゼを提起しています。
 しかも、20世紀の核開発の結果、合州国内や太平洋諸島における核実験や核廃棄物の投棄で、核のツケを先住民に押しつけるもう一つのインディアン戦争∞第2のジェノサイド≠ェ起きている、ことにも言及しています。
 本書は世界を震撼させたイラク戦争と金融危機の衝撃を受け止め、アメリカの世界支配と対米従属からの脱却を目指す世界の動きをフォローしつつ、新しい歴史と政治の見方を提示する渾身の大著です。

 
土井よしひら

        著者紹介

土井淑平(どい・よしひら)

 鳥取市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。政治思想専攻。元共同通信社勤務。“Think Globally、Act Locally”をモットーに、原子力問題やウラン鉱害問題などの市民運動 に取り組みながら執筆活動を進める。
 著書に、『反核・反原発・エコロジー ― 吉本隆明の政治思想批判 ― 』(批評社、1986年)、『環境と生命の危機 ― 核のゴミは地球を滅ぼす ― 』(批評社、1990年)、小出裕章との共著『人形峠ウラン鉱害裁判 ― 核のゴミのあと始末を求めて ― 』(批評社、2001年)、『都市論〔文明史的考察〕』(三一書房、1997年)など。
 論文に、「アメリカのイラク攻撃に抗議する!」@〜N(松下竜一主宰『草の根通信』、2002年12月〜2004年6月)など

 

 

著者の言葉

「ホピの予言」の驚くべき真実
 宮田雪監督の『ホピの予言』は、広島・長崎原爆の製造に使用されたウランの採掘地で、先住民のホピの人たちが被曝させられ土地を追われる姿を描いたドキュメンタリー映画でした。いまでも強く印象に残っているのは、鉱物資源はいわば母親の内臓に当たり、それをみだりに掘り出せば災いのもとになる、というかれらの言い伝えです。
 わたしは本書の末尾で、1980年12月の米政府公文書のカーター大統領のレポートから、このホピの言い伝えについての驚くべき秘密≠ネいしは真実≠明るみに出しましたが、それはホピの歴史において実際に存在した衝撃的な出来事を背景にしたものでした。すなわち、ホピの人たちは産業革命以前の西暦1000年に、アリゾナ州で鉱物資源を地下から採掘していたというのです!
 そのホピのメッセンジャーだったトマス・バニヤッカさんをはじめホピ族やナヴァホ族の先住民の人たちを招いて、鳥取県の倉吉市で「国際ウランフォーラム・倉吉」を開催したのは1991年のことで、ウラン残土の撤去運動を展開中の鳥取県東郷町(現在の湯梨浜町)方面(かたも)地区のウラン鉱山跡地にも案内しました。つい最近も ― それは3年前の春のことですが ― ナヴァホ族の先住民を含む巡礼団を人形峠に迎えて、当地のウラン鉱害の概要を説明したばかりです。

核開発によって第2の侵略に直面した先住民
 このような出会いを通して、アメリカの先住民に対するわたしの関心は、より身近に感じられるものとなりました。本書を執筆した背景と動機の1つは、ヨーロッパ人の侵略と略奪によってジェノサイドの危機に立たされたアメリカの先住民たちが、その追い立てられた聖地や居留地にウランをはじめとする豊富な鉱物資源が眠っていたがゆえに、20世紀の原子力開発とともにふたたび不条理な第2の侵略≠ネいしは第2のジェノサイド≠ノ直面させられた、という憤りを禁じえない現状と抗議です。
 しかし、それ以上にわたしを本書の執筆に立ち向かわせた直接的な動機は、なんといっても9・11米中枢同時多発事件以後の米一極支配下の国際法違反の侵略戦争、すなわち、アフガン戦争とイラク戦争に対する根本からの省察と抗議です。20世紀後半のベトナム戦争で全世界の反戦運動による批判を浴び、しかもこの戦争の敗北で痛手を負ったはずの米国が、国連の反対と国際社会の抗議を無視してイラク戦争に突入したことは、21世紀初頭の世界を震撼させた衝撃的な出来事でした。

イラク戦争の引き金となった21世紀の真珠湾攻撃
 イラク戦争を推進したブッシュ政権の背後勢力たる新保守自由の女神主義グループの「アメリカの新世紀プロジェクト」が、イラクへの軍事侵攻を国際的にも国内的にも容認できるものとするためには、「真珠湾攻撃にも似た破局的な触媒となる事件」が必要だと示唆したのは、2001年の9・11米中枢同時多発事件の2年前のことです。
 アメリカのルーズベルト大統領が真珠湾攻撃を事前に察知しながら、これをあえて見逃し第2次世界大戦に参戦するための口実としたことは知られています。9・11事件は「21世紀の真珠湾攻撃」といわれるように、中東における覇権掌握と石油支配のために起こした、アメリカ政府の共犯説や謀略説が取り沙汰されている事件です。1898年の米西戦争の開始を正当化したハバナ港の米戦艦沈没事件も、あるいはまた、アメリカがベトナム戦争に介入するきっかけとなった1964年のトンキン湾事件も、アメリカの戦争突入のための自作自演でした。9・11事件についても当初から今日まで数多くの疑問が出されていて、これを単純に「テロ」とはいえないので「事件」と呼ぶことにします。
 たとえば、@ハイジャック機は通常の対応がとられていたら、ニューヨークの世界貿易センタービルやワシントンのペンタゴンなど、標的に到達する以前に撃墜できたはずだA世界貿易センタービルは航空機の衝突では崩壊しない、ビル内に仕掛けられた爆薬で爆破・解体されたのではないかBペンタゴンに航空機が激突したという痕跡や物的証拠はなく、むしろ軍用ミサイルによって激突されたのではないかCなぜアメリカの政府高官はFBI捜査員の警告を無視し、9・11の事前も事後も捜査を妨害したのか ― など不可解な事実がいくつもあります。

ヨーロッパ人によるアメリカ新大陸からの金銀の略奪

 ところで、ブッシュ前大統領が9・11事件の直後、「十字軍戦争」なる言葉を用いて「テロとの戦い」を訴えたのは、まことに暗示的というほかありません。つまり、キリスト教原理主義に傾斜してイラク戦争を強行したブッシュ政権にとっては、「21世紀の真珠湾攻撃」をきっかけとする「テロとの戦い」が、いわば新十字軍戦争≠フ意味合いを持ったということでもあるわけです。
 もともと十字軍戦争は、7世紀から800年近くもの長きにわたって、ヨーロッパ世界を圧倒する高度な歴史と文化を誇ったイスラム世界に対して、ヨーロッパのキリスト教徒が起こした巻き返しの宗教戦争でしたが、それは同時に14世紀末のコロンブスの航海の序曲をなすものでもありました。
 コロンブスの航海はスペイン人やポルトガル人を先頭に、ヨーロッパ人のときならぬゴールド・ラッシュと新大陸征服戦争を呼び起こし、繁栄の絶頂にあったアステカ文明やインカ文明を一瞬のうちに壊滅して、新大陸から莫大な金銀などの財宝を略奪する道を開きました。イギリスのエリザベス女王は、その財宝をスペイン人やポルトガル人から再略奪した政府公認の海賊たるホーキンズやドレイクをナイト(騎士)に叙しましたが、かれらが人殺しとかっぱらいの略奪品によって王室にもたらした莫大な配当は、回り回ってイギリスの海外投資と資本主義の勃興の重要な原資となったのです。

毛穴から血と汚物を滴らせて誕生した近代資本主義
 こうして、アメリカ新大陸の略奪による資本の原始的蓄積によって、「頭から爪先まで毛穴という毛穴から血と汚物をしたたらせながら」、ヨーロッパの近代資本主義が誕生したのであり、西欧近代思想もアメリカ新世界の先住民社会の衝撃を抜きには語れない、というのが本書の重要なテーゼです。
 近代資本主義の揺籃期はヨーロッパ人がアフリカの黒人をカリブ海域に連行して利益をむさぼる奴隷貿易の時代でもありました。この奴隷貿易によって蓄積された資本が、産業革命を導いたジェイムズ・ワットの蒸気機関に融資され、アメリカ独立革命の英雄とされる将軍ジョージ・ワシントンの大砲の調達を可能にしたことは、近代史の裏面に秘められた重要な事実です。
 こうした海賊行為や奴隷貿易を起源に誕生した近代資本主義は、金融大海賊たちが政府と結託した今日の新自由主義下のグローバル資本主義に行き着いたわけですが、ときあたかもウォール街を震源地とする深刻な金融危機と財政危機に見舞われたことは周知の通りで、この金融略奪的なグローバル資本主義もいまや統御不能の自己崩壊の時代に入りつつあることを示しています。

もう一つのインディアン戦争としてのイラク戦争
 そればかりではありません。アメリカ合州国は親殺しに相当する300年もの長きにわたる先住民せん滅のインディアン戦争≠フ血の落とし子≠セったのですが、9・11事件を引き金とするアフガン戦争やイラク戦争は、インディアン戦争の地球規模の延長もしくは拡大なのだ、というのが本書のもう一つの重要なテーゼです。
 アフガン戦争やイラク戦争が、インディアン戦争当時の「野蛮人の文明化」や「キリスト教化」を「中東の民主化」や「自由と民主主義」と言い換えつつ、中東における覇権掌握と石油支配を目指した国際法違反の侵略戦争だったことは明らかですが、これらの無謀な侵略戦争は深刻な財政危機と金融危機を引き起こし、世界の政治と経済を大混乱に陥れたのでした。
 疑いもなく、今日のアメリカ合州国は史上に類例なき異常なる超帝国主義国家≠ナすが、皮肉にもノーベル平和賞のオバマ大統領の下で、アメリカ超帝国主義≠フ終わりなき戦争≠ェイラクからアフガンへとたらい回しされて止まるときがありません。それは第2、第3のベトナムの道であるにもかかわらずです。

(2010年1月 土井淑平記)
 
 
土井淑平 <講演会&出版記念会> のご案内
 
鳥取会場
 

= 講演会 =

アメリカの世界支配と対米従属からの脱却
− イラク戦争と金融危機の衝撃を受けて −

◇講師 = 土井淑平
◇日時 = 2010年1月31日(日)15:15〜16:45
◇場所 = 白兎会館2階(ちどりの間)

 
= 出版記念会 =

◇日時 = 2010年1月31日(日)17:00〜19:00
◇場所 =白兎会館1階(ビアホール)
◇会費 = 6,000円(本代3,360円込み

 

[発起人]綾木いづみ、尾崎かおる、角秋勝治、佐々木孝文、櫻井重樹、三田直水
[お問合せ先]〒680−0053 鳥取市寺町40−17 三田直水 TEL 0857−22−1808 

 
 
米子会場
 

= 講演会 =

アメリカの世界支配と対米従属からの脱却
− イラク戦争と金融危機の衝撃を受けて −

◇講師 = 土井淑平
◇日時 = 2010年2月7日(日) 14:00〜15:30
◇場所 = 今井書店「本の学校」2階(多目的ホール

 
= 出版記念会 =

◇日時 = 2010年2月7日(日) 15:45〜18:00
◇場所 = 今井書店「本の学校」2階(研修室)
◇会費 = 6,000円(本代3,360円込み)

[発起人]永井伸和、大野秀、松本薫、白石治子、中川健作、庄司丈太郎、福田純二、井澤尚之
[お問合せ先]〒683−0801 米子市新開2−3−10 今井書店「本の学校」郁文塾 井澤
TEL 0859-31-5001

 
 (追記)鳥取と米子における講演録はトリックスター工房制作のホームページ
土井淑平 活動と仕事」(http://actdoi.com)に全文掲載されています。
 
「人形峠 ウラン鉱害裁判」(批評社)(2001年1月10日発行)
     土井淑平 小出裕章 共著 定価 2000円

人形峠ウラン鉱害裁判
足尾、水俣、そして、人形峠・・・歴史は繰り返す
     原子力開発の起点の人形峠のウラン採掘地でなにがおきているか?

 膨大なウラン残土の放置、放射能で汚染される環境肺ガンを誘発するラドンの恐怖
ウラン残土の撤去協定を守らぬ核燃機構、これを見て見ぬふりの監督官庁
      日本の原子力行政の無責任体制を露呈・・・
  方面(かたも)地区の自治会と住民が核のゴミの撤去を求めてついに提訴!

日本の鉱害史の空白を埋め核のゴミの世紀に警鐘を鳴らす市民と科学者の共同の労作


第一章 東海村の事故から人形峠の原点へ
一 理不尽な苦しみに立ち上がった人形峠の原点へ
二 ついに起きた東海村臨界事故
三 加害者に責任をとらせる道
第二章 東郷町方面地区のウラン残土撤去裁判(1)
−−ウラン残土の放置発覚−−
一 人形峠周辺のウラン残土放置
二 ウラン残土による汚染と被曝
第三章 東郷町方面地区のウラン残土撤去裁判(2)
−−ウラン残土の撤去交渉−−
一 守られなかったウラン残土撤去
二 二転三転したウラン残土の撤去先
第四章 東郷町方面地区のウラン残土撤去裁判(3)
−−実力行使から裁判提訴へ−−
一 ウラン残土撤去の実力行使
二 ウラン残土撤去の裁判提訴
第五章 人形峠ウラン鉱山などの汚染を課題
一 天然に存在している放射性物質
二 人為的に高められた天然放射線
三 人形峠ウラン鉱山
四 問題と課題
年表:鳥取県東郷町方面地区のウラン残土撤去運動
あとがき

本書は一般書店でも注文・入手できますが、以下に注文の方には送料は著者負担で直接送付し、販売代金はウラン残土撤去裁判の支援に当てます。
〒680-0851 鳥取市大杙26 土井淑平
(TEL/FAX 0857-27-7369)
または  E-mail:uran_zando@mbg.nifty.com

 
『抵抗者たち―証言・戦後史の現場から米田鋼路編)
        講談社、本体1800円
   
ウラン残土訴訟の原告・榎本益美さん大いに語る!


抵抗者たち 
はじめに

 日本国憲法に憧れ、日の丸を焼いた人生  知花昌一(読谷村議)
 花岡事件を掘り起こして         野添健治(記録作家)
 ウラン残土から見える原子力行政     榎本益美(ウラン残土訴訟原告)
 大潟村からの反グローバリゼーション   坂本進一郎(大潟村第四次入植者)
 国鉄解体というリストラとの家族の闘い  藤保美年子(国労音威子闘争団家族)
 三里塚闘争の底を流れるもの       島寛征(元・三里塚芝山連合空港反対
                         同盟青年行動隊)
 差別ではなく、区別を求めて       北原きよ子(関東ウタリ会)
 在日二世、「ほるもん文化」をつくる    高二三(新幹社代表)
 摘み取られた「民主読売」の芽      増山太助(元・読売新聞社従業員組合書記長)
 おわりに
 参考文献


    〜本書のオビより〜  
 闘う人の言葉は、勁
(つよ)くて優しい

     憲法改定が叫ばれ、イラク戦争に加担する日本の現在。

戦後60年、大きな分岐点となった出来事≠、

今も生きる9人の証言者が語る、

<今・ここ>に至る道のりと、もう一つの選択肢。

本書は最寄りの書店で注文お願いします。


人形峠ウラン公害ドキュメント(1995年4月30日発行)
榎本益美著・小出裕章解説・久米三四郎序文  本体1800円

人形峠ウラン公害ドキュメント 

ウラン残土撤去の実力行使と訴訟提起でよみがえった中心人物の労作

人形峠は日本のウラン発見の地として知られる。だが、それが残したツケの大きさを教えるのが、原子力開発の入口たる人形峠周辺鉱山に野ざらしで放置された膨大な量のウラン残土の山であった。
本書は人形峠の北に位置する鳥取県湯梨浜町(旧東郷町)方面(かたも)地区のウラン残土撤去運動を、中心になって支えてきた地元住民にして元鉱山労働者の榎本益美による書き下ろしである。
著者は自らコールピックを手に、1950年代末〜60年代初めの原子燃料公社(のちの動力炉・核燃料開発事業団→核燃料サイクル開発機構)のウラン探鉱・採堀の作業に従事し、急性放射線障害によると思われる鼻血・脱毛・背痛・胃潰瘍などに襲われた。
1988年にウラン残土の放置が発覚してからは、方面地区においてウラン残土撤去運動に立ち上がり、その中心となって旧動燃や行政の圧力と住民工作をはねのけて、のちの実力行使や撤去訴訟に至る道をつけるが、本書の意義は今回の訴訟で再びよみがえったといえる。
姉妹編ともいえる『人形峠ウラン鉱害裁判』(土井淑平・小出裕章共著、批評社)に先立って刊行されたウラン公害の告発と抵抗の書として、久米三四郎の序文・小出裕章の解説ともども、後世に語り継がれるべき労作である。


<目次>

序文 原子力棄民≠フ貴重な証言      久米三四郎
ウラン残土の撤去を求めて         榎本益美
―生き残り採掘労働者の証言―
第1章 原子力開発の底辺から ―人形峠・ホピ・セラフィールド・下北を結んで―
第2章 野ざらし放置の膨大な核のゴミ ―ウラン残土発覚から撤去要求へ―
第3章 知らされなかった放射能の危険 ―ウラン採掘当時の状況―
第4章 さまざまな放射能の障害と犠牲 ―ウラン採掘以後の状況―
第5章 肺ガンを誘発するラドンの恐怖 ―隠されたデータと測定結果―
第6章 核のゴミを撤去してクリーンな村を ―ウラン残土の撤去交渉の経過―
結びにかえて
解説 無視され続けたウラン鉱山の危険    小出裕章  
人形峠周辺のウラン公害をめぐる動き
関連資料
あとがき


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